2011年7月28日木曜日

バリー・シュワルツ氏が語る、選択のパラドックスについて


心理学者バリー・シュワルツが、選択の自由という西欧社会の根幹をなす教義に狙いを定めます。シュワルツの推定によると、選択は我々を更に自由にではなくより無力に、もっと幸せにではなくより不満足にしています。

 



->バリー・シュワルツ氏が語る、選択のパラドックスについて (19:40)

コメント

 私たちは選択肢が増えると、その分自由度が増し、自由度が増せばその分、繁栄すると思い込んでいます。

 しかし、経済学者のバリー・シュワルツは、次の4点の理由から、選択肢が増えることによる負の影響を指摘しています。


  1. 選択肢がない時に比べ、決断の結果に対して満足度が減る。
  2. 選ばなかった選択肢の良いところを想像し、不満を持つ度合いが多くなる。
  3. 期待値を増大させてしまう。
  4. 選択肢がないときは社会の責任だが、選択肢が多いときは自己責任になる。


 もちろん、全く無いよりは多少、選択肢があったほうがいい。しかし、ヨーロッパの様な先進国では、選択肢が繁栄をもたらすという地点をとっくに超えてしまっていると語っています。


 ここ数10年で産業国において臨床鬱症状が爆発的に増加しました。

バリー・シュワルツは、鬱病や自殺が爆発的に増えたその要因の大部分に人々の期待値が多きすぎて、その結果経験が不満足なものになってしまっている点に起因していると語っています。

また、彼はこの観点から、先進国が選択肢が少ない国に物資を提供することにより、双方が幸せになれると考えています。


経済学だけでは、気づきにくい心理学的な側面をわかりやすく我々に説明してくれています。

普段気づかない視点に気づかせてくれる、素晴らしいプレゼンです。


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